Kグループホームの場合
所在地:東京都中野区
2005年竣工
施工: 綜和設計
設計: 東設計工房
構造規模:木造2階建 123㎡
<こんな狭い敷地にグループホームが建てられる?>
敷地面積は約100㎡です。いずれも知的障害がある3人兄弟の両親が亡くなって、古い家に3人が取り残されました。みかねた地元の社会福祉法人が3人も住めるようにして、公の助成金でグループホームを建てようと相談に来られました。助成金を得るためには部屋の面積や、機能に基準があります。また、寄宿舎となるので、一般の住宅にはない建築基準法上の規制もあります。7人が住めるグループホームが建てられるかどうか疑問を持ちながら相談されたようです。
<動線や廊下はできるだけ短く>
幸い敷地は正方形に近く、食堂を囲むような平面にすると1階では廊下を無くすことができました。玄関はたたきはあるけれど、踏み込みはすぐ食堂になっています。洗面所は部屋として設けず動線の途中に洗面台を設けました。2階には廊下がありますが、廊下に面して予備室を設け、階段の手すりを本棚にしたので部屋と廊下を一体にして使うことができます。
<造りつけ家具で狭さを克服>
1階の台所と洗濯機置場は既製品のキッチンセットを使用したのではうまく入らないので、造りつけとしました。食器棚の裏側を洗濯機置場にしたので壁の厚さを節約できました。
<個室の収納を充実>個室は約4.5帖と基準ぎりぎりですが、部屋の狭さを解消するため、収納は巾約1間とって充実させました。半分は衣類の収納に、あとの半分は寝具等の収納に使えるように考えてあります。
<狭いけれど機能的な家>
完成後はよくこの狭い場所に機能的につくられていると、みなさん感心してくださり設計者冥利につきます。
なかの住宅センター 設計士 東 由美子
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