2009年11月18日水曜日

なかの住宅センターの家づくり Kグループホームの場合



なかの住宅センターの家づくり
Kグループホームの場合


所在地:東京都中野区 
2005年竣工 
施工:  綜和設計 
設計:  東設計工房
構造規模:木造2階建 123㎡





<こんな狭い敷地にグループホームが建てられる?>


敷地面積は約100㎡です。いずれも知的障害がある3人兄弟の両親が亡くなって、古い家に3人が取り残されました。みかねた地元の社会福祉法人が3人も住めるようにして、公の助成金でグループホームを建てようと相談に来られました。助成金を得るためには部屋の面積や、機能に基準があります。また、寄宿舎となるので、一般の住宅にはない建築基準法上の規制もあります。7人が住めるグループホームが建てられるかどうか疑問を持ちながら相談されたようです。






<動線や廊下はできるだけ短く>


幸い敷地は正方形に近く、食堂を囲むような平面にすると1階では廊下を無くすことができました。玄関はたたきはあるけれど、踏み込みはすぐ食堂になっています。洗面所は部屋として設けず動線の途中に洗面台を設けました。2階には廊下がありますが、廊下に面して予備室を設け、階段の手すりを本棚にしたので部屋と廊下を一体にして使うことができます。





<造りつけ家具で狭さを克服>

1階の台所と洗濯機置場は既製品のキッチンセットを使用したのではうまく入らないので、造りつけとしました。食器棚の裏側を洗濯機置場にしたので壁の厚さを節約できました。

<個室の収納を充実>

個室は約4.5帖と基準ぎりぎりですが、部屋の狭さを解消するため、収納は巾約1間とって充実させました。半分は衣類の収納に、あとの半分は寝具等の収納に使えるように考えてあります。


<狭いけれど機能的な家>

完成後はよくこの狭い場所に機能的につくられていると、みなさん感心してくださり設計者冥利につきます。

なかの住宅センター 設計士 東 由美子

2009年11月14日土曜日

アトムとコナの、 自然素材と明るい我が家

アトムとコナの、自然素材と明るい我が家

リフォームプロデューサー:栗原デザイン 栗原 一英
ハウスドクター     :F・デザイン 藤本 千代
施工会社        :宮崎工務店 
参加工事会社      :浜崎畳店
(東京土建なかの住宅センター)









<プロローグ>


東京都内の一戸建てにお住まいのA様。以前から漠然と住まいへの想いが蓄積していたところ「なかの住宅センターのホームページ」をご覧になり、お問い合せをされました。なかの住宅センターのハウスドクターとのやりとりを経て、基本プランとなるものをお見せしたところ、大変気に入られたというA様宅は、4人家族にラブラドール犬の「アトム」とコリー犬の「コナ」計6人?という家族構成で、A様のお父様がご自分で建てられたという想い入れのある建物。今ある建物の良さを利用しながら、もっと気持ちよく暮らせるために・・・気に入ったリフォームをすぐにでも実現したいところですが、A様にはもうひとつ気になることがありました。家族の一員である犬がアレルギー体質であったことです。

さあ何とかしなければ・・・
A様も我々も一丸となってリフォームのスタートです。





<工事のポイント>

1.犬もアレルギー体質ということで、自然素材にこだわった。
2.お父様がご自分で建てられた家は、リフォームを機に補強もしっかり行なう事とした。
3.犬達が1、2階とも外から行けるように、外部のウッドデッキに外階段を付ける事とした。
4.壁・天井には無垢材を使用し、自然素材+本物が持つ風合いを大切にした。
5.お客様から提案の輸入建材・新素材等を使用。全員参加型の工事とした。
6.屋根を片屋根にし、天井高を上げロフトを造ったことで、光溢れる開放感が実現した。


<工事プロフィール>

1.無垢材を贅沢に使用し、壁の左官「珪藻土」と併せ自然素材の良さを出す。
2.外部のウッドデッキに外階段を付け、外壁は明るい色味で爽快感を演出。
3.室内にはロフト。梯子も木の造作。


<エピローグ>


住みながらの工事の為、アトムはストレスで一時は病院通いまで・・・と心配な時もありましたが、出来上がったウッドデッキは庭から2階に行けることもあり、今ではとっても喜んでいるようです。
工務店の親方(宮崎さん)も細かい変更等、気前良く対応してくれ、全員参加で創った我が家という感じです。
「光を採り入れ、天井の高い健康的な家に・・・」というイメージは多 くの方がお持ちでしょうが、どんな条件のお宅でも、参加するなかの住宅センターのチームが一丸となれば、いろんなアイデアや可能性が生まれてきます。まし てやA様のように「お客様自ら参加して」いただく事により、建物も一層輝いていくことでしょう。

2009年11月11日水曜日

なかの住宅センターの家づくり K邸の場合



なかの住宅センターの家づくりK邸の場合


所在地: 東京都中野区 2001年竣工 
施工:  吾妻工務店 
設計:  東設計工房
構造規模:木造2階建 2世帯住宅 117㎡(35坪)















<こんな細長い敷地に2世帯住宅がたてられるの?>

敷地面積は約100㎡ですが、巾が約5.4m(3間)奥行きが約 17m(9間半)という細長いもの。 そこにそれまで住んでいた古い家を壊して、夫婦と子供2人の1世帯とご主人のお姉さんの1世帯、2世帯住宅住宅を建てたいとの相談でした。「こんな細長い敷地に建てられるでしょうか?」と尋ねられました。






<お姉さんの住まいはバリアフリーに>

お姉さんは事故により歩行が不自由で、将来は車椅子生活になるかもしれないとのこと。そこで、1階は車椅子になっても生活できるように廊下巾も広く、通過や回転に支障がないように洗面所の角を平面的にカットするなど工夫しました。洗面台自体は上下可能な既製品を使用しました。玄関には折りたたみ式のベンチもあります。引戸も多用しています。



<2階は狭さを感じさせない工夫を>  

2階には大人4人が住みます。狭さを感じさせない工夫をしました。洗面台と洗濯機はそのための部屋を設けず、廊下のコーナーに設置しました。ご夫婦の書斎コーナーは屋根勾配を利 用した高い天井の食堂の西の壁一面にカウンターを設けました。南側壁の上部には高窓もつけ ました。食堂と寝室は引戸で仕切られているので開けておけば広く感じられます。階段上廊下 の手すりは文庫本用の本棚になっています。

<自然素材を多用>
アレルギーを持つ娘さんのため、仕上げ材は内外部ともすべて自然素材です。床は無垢のブナ材。腰壁と天井は無垢のサワラ材。壁は内外部とも珪藻土塗りです。通風のため窓の位置もよく考えました。 <機能的で気持ちのいい家>  住んでからは、機能的で気持ちのいい家だと大変に喜ばれています。細長い敷地にうまく2世帯住宅を建てられ、設計者としても満足です。


なかの住宅センター 設計士 東 由美子